コクウノツキ
【ナラ】
「そこに居る彼女、城之内朋香の身辺警護を依頼いたします。
世界中で貴方にしか頼めない内容よ……」


とんでもなくナイスバディな白人の女、ナラ・ペヴウェイと名乗るヤツが、俺らの集う西南学園に押し入って来て妙なことをのたまう。
夏も真っ盛りのこの炎天下の日本にまだ慣れていないのであろう、ボケた事をいいやがる。

【斎樹】
「状況は切迫しております兄様。さあ、ご決断を。……この期に及んでまだ異論が御ありですか?」


俺の妹で、はた迷惑な依頼内容の仲介役を買って出た代々霊能力を持つ家系に生れ落ちた望月 斎樹(もちずき いつき)は、慌てふためく俺の様をお茶請けに、優雅に呑気に緑茶を啜りながら高笑いしそうな勢いだ。

【唯】
「あんたらまだやってたの? 和樹、ようはアンタが頷けば済むことでしょ?」


やたら短気で暴力女で巫女さんの見坂 唯(みさか ゆい)は、茶道部からせしめてきた両腕いっぱいに抱えたお茶菓子をテーブルに散らかし、ひとつをつまんで口に放り込みつつ、んっがくっくなどと古いネタを実践している。

【朋香】
「ううぅ〜、どうしよう和樹!? 朋香犯されちゃうよぉ〜!!」


IQすんごいことになってて、ジャンル出鱈目の博士号いくつもってるの?的な頭脳と容姿端麗な美形スタイルを兼ね備えた、我等が学園のアイドルと化した城之内 朋香(じょうのうち ともか)嬢は、この通り、天然のボケのため学園みんなに手厚く保護されている。

【忠】
「愛くるしくも兄を頼ってたずねて来られた妹君のお願い事です。ちゃんと聞いていきましょう。皆さんで」


この場から立ち去ろうとする俺の両肩をがっしりと掴んで席に着かせようとする優男。
沖津 忠(おきつ ただし)は何時も何処を見詰めているのかわからない細目で世界を滅ぼす程の超能力を併せ持つ人物ゆえ、とりあえず逆らわずに着席しておこうか……。

要約すると、俺こと望月 和樹(もちずき かずき)の幼馴染、城之内 朋香(じょうのうち ともか)が、どこぞの組織に狙われているらしい……。

ア○○カの国○省より派遣されたM○BとS○A○Sがケンカしながら朋香の豪邸襲撃してくるし、イ○○スからはM○−6が俺らの通学路を塞いでるし、フ○○スとかいう共○国からはG○Pがメシ時にちゃぶ台ひっくり返すし……。

元傭兵の親父にならともかく、息子の俺が身辺警護だあっ!?

……いや、まあ、いいさ。
この話には匂いがする。
多額の金の匂いがするのだぁ〜!!

ちゅー訳で、引き受けた依頼をこなすべく、俺ら5人は朋香護衛の任務の為、即時行動をした。

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